PP2016 ベトナム演習の視察報告(第8回「海洋国日本の災害医療の未来を考える議員連盟総会」於)

7月23日09:00~乗船14:00 米海軍病院船USNS Mercy 視察
艦長自らの案内を受けた中でも、日本からの視察者がはじめて立ち入りを許された箇所を紹介しよう。
最大の特徴といってもいいのは、「ロジスティクス」にある。
「ロジティッシャン」と呼ばれる専任軍属が配置されている。異動なしでMercyの主のような存在が目測でだいたい150mの直線二階建ての屋根くらいのワンフロアーデッキに3層から4層に積まれたパレットに、医薬品・装備品・ユニホーム・食料他の管理一切を取り仕切る仕組みはあたかも大手の物流倉庫並、まさにインフララインの壮観。
補充も消費も、船内と本国、場合によっては海上で補給艦から受け取るシステマティックなコンピュータ通信の仕組みが米国ならではの大規模なロジスティクスの特徴だ。
血液バンクおよび血液担当医師+専任衛生検査技師を要する。
ー80℃の血液冷凍保管施設まで保有され、どのような患者の搬送にも耐えられる血液型保存システムの仕組みが構築されている。血液検査はもちろん、感染症等病原菌の検査を担当する研究ラボ(目測200㎡以上)を備えている。巨大な7万等級のタンカー改造船といえども、精密機器の多くは専用固定バンドで固定されている。
排水量 69,360トン
全長 272.6m
全幅 32.2m の巨体を動かす動力部は、「ゼネラル・エレクトリック式蒸気タービン2基, 1軸, 24,500hp (18.3MW)」である特徴は、「動く発電所」と表現しても過言ではない。ふんだんな蒸気を利用して、水の生産(海水淡水化)は日量/7万トン。手術その他、純粋がふんだんに生産されることから、まだまだ現役で稼働することにこだわる機関要員の説明が印象的であった。(耳栓しながらの受講)最後のスライドは、病院内に送る酸素・窒素の生産装置。院内いたるところの配管システムで送られている。またベッド脇の酸素タンクはあくまで予備だという説明に驚きを隠せなかった。
ベッド数 1,000床
うち、重篤者用 80床
手術室 12室
部署・区画
受け入れ室
放射線治療室
殺菌室
薬剤室
外傷・火傷室
歯科室
眼科室
遺体安置室
洗濯室
酸素発生室上記のすべての施設を視察させていただき、特に遺体安置室の部屋(大型冷蔵倉庫)内まで立ち入りしました。
今後、日本が災害時の医療を考える際の危機管理の在り方を含め、非常に参考になった。
翌24日、ベトナム海軍病院船カインホア訪問等、詳細報告書出典:(議連代表 津島淳事務局次長)によるを参照ください。
災害医療議連ベトナム視察報告


(更新日: 2016/08/03)