私たちについて

海洋国日本の災害医療の未来ために、病院船を創ろう! 

日本はEEZ面積447万平方キロ(世界第6位)の海洋国~病院船は日本の必需品です!


 国民を大規模で安全に避難させるためには、海上アプローチの有用性は軽視できません。東日本大震災により道路・鉄道が寸断され、陸路からの救援活動が困難を極めたという事実が、「海洋国」日本に病院船を導入したいという私たちの想いの原点です。

 私たちは、2020年東京オリンピック開催までの病院船導入を目指して、『海洋国日本の災害医療の未来を考える議員連盟(会長:額賀福志郎 衆議院議員)』、の創立(2014年3月24日)に微力を尽くして参りました。アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁(FEMA)のように、国が防災体制の一元化を確立するまで、次の災害に備えることを主眼に、私たちは「病院船を拠点とする救援ネットワーク」の構築を目指して活動しています。

公益社団法人モバイル・ホスピタル・インターナショナル
理事長 砂田 向壱


世界有数の海洋国日本についての認識

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[出典] 海上保安庁

 日本の国土面積は38万平方kmで世界第61位である一方、領海を含めた排他的経済水域の面積は、447万平方キロと国土面積の約12倍大きく、世界第6位です。この事実から日本は海洋国家として大国であることが認識できます。

 海は大きく4つのエリアに分類されています。それぞれ領土からの距離で決められており、「領海」(12海里=約22.2km)、「接続水域」(24海里=約 44.4km)、「排他的経済水域(EEZ)」(200海里=約370.4km)、「公海」と呼ばれています。


災害大国日本についての認識

 世界第6位の広大なEEZを擁する日本領海内に点在する有人離島だけでも約418島(無人島含む島数はおおよそ1000島)もあります。海洋エリアへの対処は陸路からでは不可能であるため、病院船は日本の必需品であると考えます。

 日本の国土は北は亜寒帯の北海道・択捉島の端から、南は亜熱帯の沖縄県・与那国島の端まで3,328kmほどあります。この長い列島において、台風、大雨水害、土砂災害、大洪水、火山災害、地震・津波災害等の数多くの自然災害が発生しており、改めて「災害大国」として認識する必要があります。これほど多くの自然災害が起こる国は先進国において、日本の他にありません。

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[出典] 朝日新聞DIGITAL


海上アプローチとは?

大規模行動が可能となる海上からの「介入」と「退避」

 海上アプローチの有用性は自然災害への対処に留まりません。私たちは「災害」を1.天災、2.人災(感染症、テロ含む)、3.特殊災害(原子力災害等)の3種類と定義しています。これら災害に対処するには、指揮命令拠点を有し、自己完結型装備を持つ病院船により、海路から包括組織的に展開することが有効です。

 国民のいのちを守るためには「介入=Intervention」と「避難=退避(Evacuation)」を同次元で行う大規模な「機動力」を持つことが求められます。空間的・心理的・技術的・時間的に最も重要な「時間における機略」を達成するには、スピードが保証された移動装備を充実しなければなりません。救援隊を被災地域に対して一気呵成に投入するには、機動力の高い装備を以って海上から「介入」するアプローチが有効です。災害医療は、意思決定から持つ装備までがスピードを重視したものになってはじめて、「時間における機略」の達成が可能になります。


災害時における病院船の役割

災害発生時、病院船は以下の3つの役割を果たします。

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1.危機管理センター(EOC)「オフサイドセンター」

(都道府県・市区町村)災害対策本部・医療班の機能を支援する。遠隔医療支援の調整をする。

  • 被害状況把握、エリアの特定、情報発信、プランニング指令
  • 災害対策本部(都道府県)の機能支援
  • 非常災害対策本部・緊急災害対策本部(国)とのリエゾン機能
  • 医療派遣チームの後方支援
  • 遠隔医療支援中継センター
2.人と物の組織的導入

72時間以内に、ハード(医療設備)とソフト(医療者および医療資機材・薬剤)を一緒に被災地に投入する。

  • 医療者は訓練され統率されている
  • 医療設備は整備された稼働状況にある
  • 医療資機材・薬剤は整理され、分類されている
3. 最新医療の場の提供 「災害現場にOR、ICU」

災害の被害を受けていないフルスペックの医療施設を被災地に植え付けする。

  • 防災服では手術はできない
  • 医者は病院で働くのが最も作業効率がよい
  • 「災害時には人がいない、モノがない、だから諦める」の常識をくつがえす

私たちのコンセプト

  • 電気・通信等のライフラインの途絶えた急性期の被災地に、災害医療に対応する各機関を統合したMobile medical command center「移動型医療指揮所」の開設は不可欠です。
  • これを安定性に欠けるテントではない一定規模を有する船舶に開設できれば、医療のみならず災害対応全体のメリットが大きいと言えます。
  • 船舶は、医療者に対する指揮機能を有すると同時に、医療を提供する側の安全と生活を保障し、安定的な活動拠点を提供することが極めて重要です。
  • 自己完結できる船舶は単に病床を提供するものではない。災害対応力を著しく喪失した被災地において、強力なクライシス・マネージメントの中核となります。
  • 仮に、海外で邦人がエボラ出血熱に感染(発症)した場合、感染症法「1類感染症」、出入国管理法第5条により本国に上陸させることは不可能です。しかし、洋上に隔離できる病院船があれば、これを救済する
  • ことが可能になります。

  • 2011年3月の福島第一原発事故の際、三号機の爆発により胸部に外傷を負った作業員は放射能汚染を理由に医療機関に拒否され、48時間もの長時間にわたり治療を受けることができませんでした。こうした人災、特殊災害においても、天災と同様に国民の生命を守ることは、災害医療の未来のために必要な政治的課題でもあります。
  • 同時複合災害に対する備えとして、国・地方、さらには民間を含め、現場の救助・復旧面や行政面での人員を機動的に動員、指揮命令できる権限を持ち、平時にあっても、救助・復旧に関する研究、機材の開発、訓練等総合的に対応する米国におけるFEMAのような組織の設置が求められます。

東京オリンピックまでの実現を目指します

2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催は、日本の災害医療の未来を開く好機でもあります。開催エリアは東京湾内。世界一危険な都市・東京に想定される直下型大地震への備えも必要です。私たちは東京湾への病院船配備を目標に公益活動を行って参ります。貴方の小さな善意が災害医療の未来を開きます。是非、ご理解賜り、ご支援の輪を一人でも多く広げて頂ますようお願い申し上げます。

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