救急艇社会実装協議会 第7回議事録

第7回日本救急艇協議会会議議事録
第7回日本救急艇社会実装協議会議事録

日時:2021年3月31日(水)18時00分~
場所:Web会議

参加者(順不同、以下敬称略):
砂田 向壱 (MHI理事長)
有賀  徹(MHI理事、独立行政法人労働者健康安全機構理事長)
坂本 哲也(帝京大学)
三宅 康史(帝京大学)
田中 秀治(国士館大学)
山口 芳裕・加藤 聡一郎(杏林大学)
弘重 壽一(昭和大学江東豊洲病院)
横田 裕行(日本体育大学)
横堀 將司(日本医科大学)
前田  透(東京消防庁救急部副参事、救急対策担当)

オブザーバー
植田広樹様(JASA事務局長・民間救急救命士)
内藤様(MHI理事)
小池様(MHI理事)
鍵本様(MHI理事)
山田様(MHI評議員
清水様(MHI幹事)
溝口 様 (東京都福祉保健局)
江東区 区議会議員 石川邦夫先生
東京都 都議会議員 細田いさむ先生
バーズビュー 夏井淳一様

まず会に先立ち、横田委員長より本日のオブザーバーの出席、および有賀理事によりオブザーバーで出席のバーズビュー夏井様の紹介がされた。
また、田中委員より、JASA事務局長 植田広樹様の紹介がされた。委員によりオブザーバーとしての参加が承認された。

会議次第
1. 前回議事録確認

資料1(第6回議事録)
横田委員長より、前回2月26日に行われた、第6回会議の議事録確認がなされた。

2. 都議会の質疑の紹介
細田いさむ東京都都議会議員の都議会本会議で、一般質問として東京オリパラ大会時に民間船舶を活用した搬送についての質問と答弁の記録に関する情報共有がなされた。また、本件を記載した新聞記事を資料として共有した。この中で、安藤東京消防庁消防総監より、船舶の活用は、傷病者の搬送体制の多様化を図るうえで大変有効であると答弁されたこと、古谷東京都港湾局長より、民間団体による船舶を活用した傷病者搬送の取組を実施するに当たって、 あらかじめこれらの船舶の係留場所を確保することが必要であり、都は船舶の係留場所として、アクアティクスセンター近くに設置されている船着場を提供するなど可能な支援を行っていくとの、協力的な答弁を得ることができたことが報告された。

資料2:都議会一般質問2021年2月26日【細田いさむ】

3. 救急艇進水式について
砂田理事長より、現時点における進水式の予定が報告された。その中で、5月1日は連休中であり、船を運ぶ業者の予定などもあるため、5月6日名古屋発、5月7日東京湾着水となる予定となったことが報告された。また、5月19日に虎ノ門の金毘羅宮で安全祈願のち進水式となる予定が報告された。
訓練担当の山口委員から海域・環境調査として5月10日に、海域調査を行うことが示された。5月19日の進水式にはメディア取材も入ること、その際に医療活動のデモンストレーションを公開することとなった。そのほか6月23日、30日が訓練日候補、また7月20日~23日まで訓練を行い、7月24日のオリンピック競技開始に備える予定とした。救急艇は通常は東電堀で待機をする形で係留されることとなった。

追加資料1 7号地はしけだまり内浮桟橋

4. 各分担からの進捗報告と予定
1) 医師の確保(所属を含め)について
担当の坂本委員、三宅委員より報告がなされた。
現時点でどのような観客動員があるかが未確定であるため、具体的にはまだ声掛けしていないが、都内の大学病院では、オリンピック会場の医療支援も行うことを考えると、現実的には東京都外、あるいは東京都内の救護所支援を行っていない施設に声を掛けるのが現実ではないかとの意見であった。また、本協議会の委員の施設である帝京大学、杏林大学、日本医科大学の協力を求めていく予定であることが報告された。また、救急艇のスタッフとして活動する医師の身分としては、所属施設で有給休暇等の手続きをとって参加することが現実的であることが示された。
また、前回からの持ち越された課題として、交通費や宿泊に関しても検討しなくてはならないことが示された。
これに対して、砂田理事長より、交通費は均一に5000円程度を考えていること、
辰巳の港湾労働者住宅が使用できないため、有明近傍のビジネスホテルを確保キープしたいとの意見であった。
横田委員長より、医師と救命士の宿泊のホテルの確保、その前提となる医師と救急救命士の具体的な人選と、救急艇のスタッフとして勤務するシフトを決定していく必要性が指摘された。また、細田議員より、港湾住宅を借り受けることができない事情について情報共有がなされた。

2) 救急救命士の確保について
田中委員、植田 JASA事務局長より情報共有がなされた。
田中理事長より、JASAの理事会で、関東-全国の救命士養成施設にボランティア協力の声掛けをさせていただいたことが示された。植田先生から、現在JASAに登録している登録者190名、うち関東では80名登録されていることが情報共有された。
田中委員より、例えば大阪、愛知などの遠方から参加し、例えば3日連続での勤務など可能かの質問がなされ、砂田理事長より問題ない旨の回答を得た。

3) 5月、6月の訓練について
山口委員より、5月13日の進水式にてのメディアへの公開の前に、環境や状況を把握しておく必要性が示された。とくに船舶の安全管理、連携要領、実働訓練を行う重要性が強調された。また活動の質を担保することで、事業の継続性が達成されることが強調された。活動要項を作成するためにも、船のサイズやポンツーンなどの確認が必要であり、まずは調査が必須であることが強調された。
横田委員長より、5月の訓練には、東京消防庁との連携があったほうがいいかとの質問がなされた。これに対して、山口委員より東京消防庁、昭和大学の現地医師、救命士との連携の視点が大事である旨が示された。その際には職種において指導的な方にぜひ立ちあっていただきたいとの希望が示された。
三宅委員より医師、救急救命士それぞれ述べ60人の訓練をするとなると、その日取りを確保せねばならず、デモのビデオなどを用いて訓練をコンパクトにできないか、との意見もあった。
これに対して山口委員より、乗り降りの段差を確認してもらうことが大事であるので、安全な活動のためには、やはりできれば一回は実際に乗船してもらいたい旨が示された。
東京消防庁前田参事より、日程としては間隔が短いので、東京消防庁としても、訓練に参加し、しっかりと確認していきたいとの意見をいただいた。
弘重委員からは、昭和大学江東豊洲病院との連携に関し、訓練の日程が確定後、ポンツーンからの訓練に病院職員が参加したいとの旨が示された。
江東区の石川区議会員より、東電堀桟橋の使用に関して、江東区との調整を行い、困難はあったものの区長の賛同を得ることができたこと、また、すでに東京消防庁からも江東区に桟橋使用の依頼があったとの情報が共有された。また、乗船場の鍵の管理においては公園を管理している、民間委託の管理会社にお願いできるのではないかと考えている旨が示された。砂田理事長から、桟橋の鍵は大会期間中に関してはMHI側が借用できること、大会前の訓練の際には民間委託業者に連絡して解錠してもらう必要があると説明をいただいた。

4) 救急艇の写真の確認。砂田理事長より、
3月26日の時点の写真を示しつつ、救急艇の整備状況についての説明がなされた。
この中で、船長と船長補佐が待機する場所について、昭和大学江東豊洲病院1階の喫茶エリアが使用できないかとの質問がなされ、弘重委員からは、医師の待機場所も喫茶エリアの一角を仕切っての使用を考えており、4-5名は滞在可能と考えるために、船長、船長補佐の待機も可能であることが示された。また三宅委員からは、何時から使用可能かなどの質問がなされた。これに対して弘重委員からは、時間制限は特になく、24時間使用可能であることが示された。
有賀理事より船はどこで待機するか、との質問に対して、砂田理事長より東電堀脇でアンカーを入れて待機することが許可された旨が報告された。

5) 救急艇への医療資機材について
田中委員、前多理事より報告がなされた。
大きな機材として防水性の高いAEDや、血圧計、SpO2、モニター、吸引機、酸素ボンベ、空気発電機などが準備すべき資機材として提示された。また搬送用機材、スクープ、固定具も含まれるとした。今後は山口委員の訓練内容にも合わせ、物品を選択する予定であるとの旨が示された。
横田委員長より、DMATで使用するレベルの医療資機材もバックで持っていく必要があろうとの意見が示された。また、横田委員長より船の電源関しての質問があったが、砂田理事長・前多理事より、船の電圧は12Vだが、変換器とバッテリを準備するため電源に関しては、問題はないことが示された。

6) 救急艇の繫留場所
地図をもとに、患者をピックアップする場所の選定について意見が交わされた。この中で、競技場のラストマイル救護所の位置がどこになるかの配慮が必要であることが横田委員長より示され、今後東京都の担当部署と共有していくことの重要性が指摘された。観客が会場のキャパシティの半分程度になる可能性があり、その際は救護所も減らす予定で、ゾーンに一か所程度であると聞いているとの情報共有があった。
砂田理事長より、救急艇が湾内警備地域に入る可能性があるが、海上保安庁から侵入許可をいただけた旨が共有された。

海上保安著オリパラ運航注意喚起

6.救急艇社会実装協議会憲章について
有賀理事より、社会実装協議会の説明のためのものが必要であること、また救命士、医師が本事業に参加する際に、本事業の経緯を知ってもらう必要があるとのことで、MHIから憲章を発出することを提案したい旨が示され、委員からの同意を得た。
砂田理事長からミッションステートメントに相当するものであることが示された。
三宅委員より、これがあると医師をボランティアとして誘う際にもよろしいだろうとの意見もあった。
横田委員長から本協議会(日本救急艇協議会会議、日本救急艇社会実装協議会)の活動、議事録、および憲章をMHIのHPに掲載することの提案がなされ、了承を得た。

「救急艇社会実装協議会憲章」令和3年3月31日策定

7. 日本海洋医療学会について
奥寺委員欠席により、情報共有などは次回に延期となった。

8. その他、
有賀理事からの発言として、山口委員が洋上搬送に伴う様々な状況把握を行う際には、その折に、救急救命士業務に関して田中委員、医師業務に関しては三宅委員、坂本委員と連携して行うことが良いとの意見が出された。
また、砂田理事より5月19日の進水式の式次第と一日の予定が示された。5月19日は10時から金毘羅宮で祈祷を行うため、参加者は9:30までに金毘羅宮にご参集いただきたい旨が示された。また、午後にはメディア発表を行う形になるため、メディアに心当たりのある人にもお声かけの協力を募りたいとの意見が出された。また同日18時から、永田町グランドアーク半蔵門で意見交換会を行う旨が示された。なお意見交換会の基調講演は、日本医師会名誉会長の横倉義武先生にお願いする予定である。
前多理事より、ユニフォームに関しては、ユニクロがスポンサーとして提供してくれることとなった旨が示された。男性を想定しM,L,LLを準備する予定が示された。

9. 次回日程:第8回会議は4月20日18時よりWEBでの開催予定となった。

以上

文責:横堀將司 横田裕行 有賀徹

 

 

 


(更新日: 2021/04/01)