日本臨床救急医学会学術会議第4会場 講演災害時多目的船危機管理体制の課題と将来像
概説
変化する国際社会~HADRへの対応 人道支援と災害救援Humanitarian Assistance Disaster Relief (HADR) の傾向 冷戦の終結以来、米国は人道支援/災害救援(HADR)にアジア及び太平洋地域で多大な貢献をしてきた。特に、台風、火山、地震、津波によって毎年悩まされる地域に対して、米国は何十年もの間、アジア太平洋地域の国々への人道支援として様々な形を提供してきた。すなわち、アメリカ太平洋軍(USPACOM)が大規模なHADR任務を行うことは、冷戦終結後に開始されたことである。近年の中国は地理的にアジア太平洋地域で世界第2位の経済大国となり、世界で3番目に強力な軍事力を持ち、地域的・世界的影響力を持つ。それらが拡大するにつれて、グローバルにより大きな存在となり、従ってより包括的な責任が中国には要求される。 米・中が「HADR」 の分野で急接近 災害救援活動には水陸両面作戦に必須の装備を備え、CBRNE災害を含む医療支援に病院船を投入できる両国である一方、地域安定性のノウハウなどで先制する米国は、中国が地域大国になる以前から、南中国周辺の海と空を中国海軍の識別圏と位置付け、 HADR人道支援と災害救援が、地域紛争にかなり効果的な抑止力を発揮することを学習してきた。一方、国際法を無視した力の発揮がこれ以上続けば、周辺国との緊張や紛争の種は除去困難が予想される。そのため、 HADRの協力と共同責任において、地域における人道支援・災害救援のためには、中国を近隣の利益のために役立てなければならない。米国は2010年ころから、アジア太平洋パートナシップ訓練で、医療と奉仕を軸にした人道支援・災害救援HADR(オスロガイドライン)に基づく、災害救援プログラムの実践を続け、そこに中国の参加を促し始めている。
基本情報
発表者 | 砂田 向壱 (公益社団法人モバイル・ホスピタル・インターナショナル ) |
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ページ数 | 54 ページ |
情報更新日 | 2017/07/31 |