2024年3月1日に能登視察調査は別紙の通り実施しました。下記PDFを参照。
一般の災害調査と異なり、弊社の創立の理念に沿って船舶と医療のコラボレーションがどのように推進されているかを視察する目的を有しているため、
災害対策本部に詰めの内閣官房船舶医療推進室の担当、および防衛省との調整事項等が絡み、東京から防衛省職員が随行するなど、調整が終わり現地の
受け入れ準備ができて訪問しました。
船舶の投錨先の七尾港までの途中、当方にどうしても見ていただきたいところがあるとの申し出があり、下添えの写真に見られる町立富来病院周辺の惨状
、特に停電と断水で医療ができない病院の実態は東北の惨状に匹敵する酷さでした。観光名所の和倉温泉は大型旅館が建っているだけ。営業はできません。
停電と断水では衛生事業者と病院の共通の問題が散見できます。個別に復旧するより、地域全体の経済の復旧のための施策を立案するのが前提かと判断。
例えば、(私見ながら)温泉の地下の地熱を利用した発電や地域冷暖房の提供による公益性の高い収入源を基本計画に据える災害に強いインフラ整備を国が
補助し、各個別の所有権のあるホテル等は経営者の判断を再建計画に落とし込むなど、新しい発想が街づくりに必須の課題かと。
七尾港での報告は添付のPDFを参照して下さい。
特にユニークだったのは、被災した各地から「船舶に風呂と一泊の旅程でほっと一息つける」
被災者支援で気づいたことがあります。船舶に臨時の診察医師と看護師が配置されていました。
何がユニークか? それは見ず知らずの「DMAT」ではない地元の医師に対する被災者の安心
と信頼性を船舶医療に取り入れた点です。順繰りに、地域ごとに日本旅行がバスで募って回る
時に、地元の医師や看護師たちへの住民の信頼を船舶の安心感につなごうとした「船舶に風呂
と一泊の旅程でほっと一息つける」試みに一縷の望みを抱けた点は訪問の大きな収穫でした。