救急艇社会実装協議会 第6回議事録 

第6回議事録確定

日時:2021年2月22日(月)17時30分~18時40分
場所:Web会議

参加者(順不同、以下敬称略):
砂田 向壱 (MHI理事長)
有賀  徹(MHI理事、独立行政法人労働者健康安全機構理事長)
奥寺  敬(富山大学)
坂本 哲也(帝京大学)
三宅 康史(帝京大学)
田中 秀治(国士館大学)
山口 芳裕(山口芳裕代理、杏林大学)
弘重 壽一(昭和大学江東豊洲病院)
横田 裕行(日本体育大学)
横堀 將司(日本医科大学)
前田  透(東京消防庁救急部副参事、救急対策担当)
溝口様 (東京都福祉保健局 中新田様 代理)
MHI 前多・横田・宮川

議題
1.前回議事録確認
前回 2021年1月25日に行われた第5回会議の議事録が確認された。

2.救急艇の社会実装までの具体的方策の確認

2-1 東京消防庁との連携の在り方について
東京消防庁救急部前田副参事より、消防側と救急艇の連携のあり方について、大規模災害以外でも救急車の運用を可能となるのは以下の場合であることが示された。すなわち、①交通渋滞等で医療機関への搬送が長時間要すると考えられる場合、②傷病者が救急艇の停泊地の近くにいる場合等である。また、消防法によると救急隊は医療機関に搬送する必要があるので、傷病者を医師が同乗している救急艇へ搬送する解釈については、傷病者の同意を前提に救急隊が現場にいる往診医に引き継ぐ解釈を考えている旨が示された。
また、横田委員長から、東京都福祉保健局の中新田課長代理との質疑の中で、ラストマイルの救護所に待機しているサポートキャブを使用しても良いとの回答を頂いたことが報告された。なお、本件については中新井田課長代理の代理として本日出席している溝口様から再度確認するとのコメントを頂いた。

2-2.訓練について
横田委員長より訓練に関して、5月に3回ほど、6月には2 回程度開催する予定であることが前回議事録より再確認された。
コアメンバーの選出や具体的訓練の方策については山口委員と加藤委員代行が中心になることが再確認された。
山口委員から救急艇への患者導線、船内患者搬入、病院受け入れなどの状況について、砂田理事長と一緒にあらかじめ確認したい旨が示された。5月以降の訓練については、コロナの感染状況や大会の開催形態を踏まえ検討することが示された。また、山口委員より特に安全管理などについて、必要に応じて東京消防庁と相談し入念な検討を行いたいとの意見が示された。

2-3. 医師の確保について。
坂本委員、三宅委員が担当であるか、坂本委員よりオリンピック・パラリンピックの開催形態に応じて、医師を確保する必要があるので、現時点ではまだ具体的に医師の確保について検討できないことが示された。場合によっては当協議会の委員に関連する施設だけでなく、首都圏、あるいは遠方からも医師の支援を求める範囲を決めたいとの意見があった。
遠方からのスタッフへの交通費や宿泊費等の手当について、砂田理事長より、交通費の支給は可能であり、宿泊については、東京都港湾住宅の借り入れを再検討したいとの旨が示された。

2-4.救命士確保について
田中委員より、オリンピック・パラリンピック自体の開催形態がわかれば。救命士についてはJESA(一般社団法人 全国救急救命士教育施設協議会)、さらには他施設からも参加をお願いする旨が示された。
有賀理事からの意見として、首都圏外からの協力者を募る際にも港湾住宅借入など宿泊の準備が重要になるため、再度砂田理事長に改めて交渉をいただきたい旨が示された。
砂田理事長からは救急艇活動時のユニフォームなどの準備のためにも、医師や救急救命士の述べ人数の算出が必要であるとの意見が述べられた。横田委員長より、救急艇の活動は選手村開村から閉会式までの約2か月(60日)であるため、一日当たり医師1名、救命士1名であれば、各のべ60名、全体でのべ120名ほどの人員確保がであろうとの見解が示された。
有賀理事より、操縦士や補助者にも同様のユニフォームを支給する必要があることが示され、砂田理事長は了解した。

2-5.救急艇の装備について
前回議事録より田中委員、加藤委員代行が担当である旨が確認された。
救急艇の装備については、フジタ医科器械の前多氏とも協議し、歩行できる患者を主に想定した機材準備を進めていることが示された。田中委員より原則DMATの主要装備の中で不要なものを削る形で準備を進めているが、人工呼吸器の必要性について議論していただきたいとの発議があった。
横堀委員、山口委員、田中委員より、重症患者を扱わないのであれば、ジャクソンリースなどで対応可能であろうという意見、船にストレッチャーを載せるのは極めて危険であり、重症患者を想定せず、必要最小限のものでよろしいとの意見が出された。三宅委員からも、搬送対象は原則重症患者ではないので、エコーも要らないだろうとの意見が示された。
今後田中委員より、山口委員が想定される訓練に合致した機材を再度リストアップし、加藤委員代理と相談しつつ調達の手段を考案する方向が示された。

2-6.救急艇の係留場所について
砂田理事長より、改めて、救急艇の係留場所(基地)についての説明がなされた。辰巳桟橋を東京都港湾局より無償で貸与されることが示された。
議論の中で、傷病者を搬送するためのポンツーンは海上保安庁の調査によると、現実的には14の会場の内4か所のみであることが示され、活動時には状況把握のためにドローンも使用する予定であることが示された、有賀理事より、ドローンをだれが操作するかという点について質問がなされたが、砂田理事長より、ドローンは船員が操作する予定であることが示された。
横田委員長より、次回会議時に実際のポンツーンと基地、昭和大学豊洲病院の位置関係を明確にする地図を提示してほしい旨を砂田理事長に伝えた。。砂田理事長が、次回写真と合わせ地図を提示することになった。

横田委員長より弘重委員に、昭和大豊洲病院にて救命士、医師が待機する場所などを準備いただく旨が確認され、了承された。
また、有賀理事より、今回の東京消防庁の意見から、救急艇に乗船する医師の所属は昭和大学豊洲病院に所属でなくてもよいと解釈され、有賀理事、弘重委員以下、全員で本件を共有した。

3.海洋医学会に関して
奥寺委員より、プランが説明された。類似する可能性のあるものとして、船員保険組合SENPOSが出版している「海上医学研究
というジャーナルがあるので、名前としては分別がつきやすくなるよう、日本海洋医療学会としたい旨が示され、皆に了承された。また将来的に事務局は奥寺委員が担当し、MHIにはドクヘリにおけるHem-Netのような関係になっていただきたいとの要望が出された。
横田委員長より、例えば救急救命士の学生はライフセービングも興味を持っている。すそ野もひろがるのではないかとのコメントが出された。

4.最後に
砂田理事長より、訓練のメニューを考えるために、3月25日前後に東京都のオリンピック・パラリンピック開催の方針決定の後、早急に進水式の日程を考えたいとのことであった。また、訓練を想定する山口委員に、改めて船を確認してもらいたい要望が出された。山口委員からは、必要により動画などを撮影し、それぞれのポンツーンでの患者の船への上げ下ろしが安全かを確認し、距離感や段差感をしっかりと確認したいとの意見が出された。砂田理事長はそのために、なるべく5月早めに船を現地に入れたいとの意見を述べた。また海上保安庁の協力も得、ポンツーンを実際に回ってみたいとの意見を述べた。

5.次回日程
次回、第7回会議は 3月31日18時より開催予定となった。

以上 文責 横堀將司、横田裕行、有賀徹


(更新日: 2021/02/23)