救急艇社会実装協議会 第3回議事録

「第3回日本救急艇協議会」
議事録要旨

2020年10月26日(月)13時45分より
参加者(以下敬称略):
砂田向壱 有賀徹 前多宏信 小池信行 鍵本忠尚(MHI)
横田裕行(日本体育大学/日本医科大学)
横堀將司(日本医科大学)
坂本哲也 三宅康史(帝京大学)
田中秀治 (国士館大学)
山口芳裕(杏林大学)
弘重壽一 上條由美(昭和大学江東豊洲病院)
奥寺敬(富山大学)
上野和彦 (東京都議会議員)
細田 勇 (東京都議会議員)
石川邦夫 (江東区議会議員)
久保真一郎 村瀬剛徹 内海哲也 小寺宏明(海上保安庁 東京海上保安部警備救難課)
前田徹 塚田信隆 横地雄介(東京消防庁救急部副参事)
平井興宣 (清水建設)

第一部(会場視察) わかしお:東京都港湾局巡視船
コロナ禍の中での大会への心得など踏まえ、東京ベイゾーンの会場周辺とそれに近接する桟橋を視察した。

第二部 15:30より勉強会・意見交換会 昭和大学江東豊洲病院
1.有賀執行理事より挨拶、参加者各位の自己紹介

2.砂田理事長より挨拶
東京消防との協定書締結の報告、救急艇のコンセプト、ロンドン五輪時の救急艇事業などについての説明があった。また下記、情報共有がなされた。
・4名(医師・救命士・運行責任者2名)基本の運用
・オープンクルーザータイプの救急艇を準備。
・ユニフォームなど準備、東京オリンピックロゴ。パートナーに承諾を得る。

3.有賀執行理事より救急医を中心とする「救急艇社会実装協議会」の設置と役割について公表され、担当の各位により確認された
メンバー確認
救急艇社会実装協議会(横田裕行会長)のもと、協議会総括、救急医担当、救命救急士担当、救急艇における病院前救護担当、連携、訓練担当、MHIとの連携、学術団体との連携、同乗スタッフ備品担当など、以下の如く各位が役割分担を行う確認がなされた。

Ⅰ.協議会総括(「東消(救急現場)→救急艇→昭和大学江東豊洲病院」社会実装)
横田裕行教授「協議会会長」:上記連携に関すること
横堀將司教授「協議会副会長」:同上、会長の補助
Ⅱ.救急医担当
坂本哲也教授(主担当)
三宅康史教授(副):救急艇同乗救急医の作業・救急医(当番表の作成など)について
Ⅲ.救急救命士担当
田中秀治教授:救急艇同乗の救急救命士(当番表の作成など)について
Ⅳ.救急艇による病院前救護担当
田中秀治教授:救急救命士の作業、装備・備品などについて
Ⅵ.救急艇・昭和大江東豊洲病院との連携担当
弘重壽一教授:最寄りの桟橋から病院への搬入・治療など
Ⅶ.社会実装に向けた訓練担当
山口芳裕教授:MHI・同協議会・東京消防庁などの調整による社会実装への訓練
Ⅷ.MHIとの連絡担当:江東区、東京都、総務省、国交省「桟橋の利用、実装具体化」など
有賀徹(MHI砂田理事長ともども)
Ⅸ.関係学術団体との連携
坂本哲也教授:日本臨床救急医学会
奥寺敬教授:日本海洋学会など
Ⅺ.同乗スタッフ作業服・備品・保険など担当
砂田理事長(MHI)

4.海上保安庁東京海上保安部警備救難課長 久保信一郎様による講演
「オリンピック・パラリンピック競技大会会場周辺の桟橋の状況及び同大会に向けた海上保安庁の取り組みについて」
海上保安庁がオリパラに向けてどのようなことを行うか、実地的な説明をいただいた。
東京湾の各桟橋の説明もいただいた。
・海保の取り組みとして、警備体制強化。安全対策強化。災害対策強化(台風)。後方支援強化。後方支援、情報収集分析、後方支援:バックアップ体制を確立する。
・航行自粛、係留自粛の海域を設定。
・港湾内の航行に一定のルールを策定している。
・浮桟橋(ポンツーン)と岸壁の違いなどについても説明された。

5.質疑応答、意見交換
以下の如くの情報共有、意見交換がなされた。
砂田理事:制限区域に入るときにどうやって救急艇を識別するか⇒久保様:事前の通報と識別旗が必要か。ちなみに赤色灯は制限なし。(海上保安庁 久保氏)
横堀:海上保安庁の業務の連携、線引きはどうなっているか?⇒連携が現場での合議が多い。タテとヨコの繋がりを医療側も分かるようにしたい。
小池氏(MHI):統一した防災無線、一斉無線などはあるか?⇒一斉通信無し。官用携帯電話による情報伝達のみ(久保氏)。
三宅教授:夜間の活動に関して、桟橋の明るさはどうか?⇒街灯が整備されている桟橋は少ないのでは、電源の確認も必要(久保氏)。
有賀理事:傷病者を運ぶ船で救急艇のような概念は海上保安庁にあるか?⇒救急に特化した活動の経験はない(久保氏)。
横田教授:今日の視察では桟橋に鍵がかかっている。大会開催時にそのようにならないようにしていただきたい。⇒管理者等への連絡やルール作りが大切である。
江東区では桟橋は夜でも対応可能と考える。連絡連携体制、準備が必要(江東区議会議員 石川)
山口教授:アクセスで危惧するのは海の森公園。交通渋滞。一般車両もアクセス制限がある。海路を使用しようという議論もあったが、使用できる桟橋がない。船から桟橋の高さの問題。物理的に難しい桟橋。そこをクリアできれば、有効と思う。
坂本教授:オープンクルーザータイプを使用するときに、要担送患者を載せることはできるか?海保の見解は?
海上保安庁からの見解(海上保安庁 村瀬氏・内海氏・小寺氏):個人的な感想を含め、患者の上げ下ろしに人員が必要。運航要員は3名が必要。陸上の支援隊:ロープをもってかけてくれる人が必要。かなり揺れる。塩をかぶる。安全運航のため見張りを含め運航要員は3名のほうがいい。夜間運航であればなおさら。ちょっと風が吹くときついのではないか。
どう固定するか?揺れが予想される。船の受け入れ態勢など。
患者さんのポンツーンにあげるときに、応援が必要では。
前田副参事:今回の協定のなかでは、歩ける方などの搬送を想定している。
東京消防でも消防艇の甲板を用いた訓練を行った経験があるが、しっかりとした固定が必要。
有賀理事:山口教授には日本医師会救急災害医療のお立場から、日本医師会にもオブザーバーを要請する。横田教授には東京都医師会副会長との連携から医師会との連携を構築していただく。

6.閉会の言葉
東京都議会議員 細田勇

以上
文責:横堀 將司
日本医科大学

 

 


(更新日: 2020/10/27)